ステーブルコインのTether、約2400億円分のビットコインを保有か
時価総額で世界最大のステーブルコインTether USDt（USDT）を発行するTether（テザー）は先月31日、2023年第2四半期の監査報告書を公開した。この報告書の中で、同社は約16億7000万ドル（約2400億円）に相当するビットコイン（BTC）の保有を明らかにしている。
Tetherの発行するステーブルコインは「法定通貨担保型」に分類される。これは発行したコインと同額以上の裏付け（預金や債券など）を発行体が準備し、コインの保有者は必要に応じて法定通貨で償還を受けられる仕組みだ。十分な裏付け資産があることを証明するため、ステーブルの発行企業は監査を受けることが一般的となっている。
報告書では、Tetherはステーブルコインの発行額を約33億ドル（約4700億円）上回る資産を保有するとされ、この中には約16億7000万ドル相当のビットコインが含まれている。ただし、同社が保有するビットコインの枚数は報告書に記載されていない。
Tetherのようなステーブルコインの発行企業は、裏付け資産である預金や債券から得られる金利が主な収益源となる。一方、同社のビットコインの保有は、発行したステーブルコインの裏付けを超える資産を運用するという形で、積極的に利益を追求する投資としての意味合いが強くなっている。