SECとGrayscale、ビットコイン現物ETFめぐり協議開始か

SECとGrayscale、ビットコイン現物ETFめぐり協議開始か

米証券取引委員会(SEC)と資産運用会社Grayscale(グレースケール)は、Grayscaleが運用するビットコイン(BTC)投資信託「Grayscale Bitcoin Trust(グレースケール・ビットコイン・トラスト/GBTC)」の上場投資信託(ETF)への転換をめぐって協議を開始した。

暗号資産(仮想通貨)関連メディアCoinDesk(コインデスク)が9日、匿名の関係者の話として報じた。SECの広報担当者は、Grayscaleとの協議についてコメントしていない。


SECは、2021年にビットコインの先物取引へ投資する「先物ETF」を承認。一方、ビットコインへ直接投資する「現物ETF」は価格操作を防ぐ仕組みが不十分であると主張し、承認を拒んできた経緯がある。

GrayscaleはGBTCを2013年から運用している。GBTCは現物型のビットコイン投資信託だが、投資家は買取や償還を請求することができない「クローズドエンド型」に分類される。そのため、保有するビットコインの価格と投信の取引価格が大きく乖離する状況が問題となっていた。

この問題を解決すべく、GrayscaleはGBTCをETFに転換することをSECへ申請したが、SECはこの申請を却下。Grayscaleは決定を不服としてSECを提訴し、SECの決定は「恣意的で気まぐれ」であり無効だとする判決が先月確定している。

GBTCをETFに転換することが承認された場合、GBTCはビットコイン現物ETFとして上場されることになる。さらに、ブラックロック(BlackRock)やフィデリティ(Fidelity)など他の資産運用会社が申請中のビットコイン現物ETFについても、同様に承認される可能性が高いとされる。

ビットコインETFをめぐる動きは用語解説:ビットコインETFも参照。

この記事をシェア