マイニング機器メーカーBitmain、給与の未払いが報じられる
ビットコイン(BTC)マイニング機器の製造で業界最大手のBitmain(ビットメイン)が、資金難から従業員への給与支払いを一時停止しているという情報が広まっている。Bitmainは2013年に設立され、一時は市場シェアの7割を占めていた。
きっかけは、暗号資産ジャーナリストのコリン・ウー氏が8日にX(旧Twitter)上に投稿した文書。同氏によると、Bitmainは今月3日「9月の営業キャッシュフローがまだプラスに転じていない」ことを理由に「従業員の9月給与の一部支払いを停止する」と通知したという。また「一部の社内従業員は通知が本物であることを確認した」としている。
その後、ウー氏は情報を訂正し「Bitmainは7日午後に9月分の給与を支払い、一部の人の業績給を支払っていなかっただけだと述べた。また、9月分の給与も支払われ、基本給は通常通り9月30日に支給された」と付け加えている。
On the afternoon of October 7, Bitmain has repaid September wages, and stated that it only did not pay the performance salary of some people. It has also been repaid, and the basic salary has been released normally on September 30.
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) October 8, 2023
暗号資産メディア・コインテレグラフは、中国メディアの記事を引用する形で問題を報道。Bitmainの複数の従業員の話として、同社が全従業員の9月の業績給の全額と基本給の50%が差し引かれ、その分の給与はいつ支給されるか分からないと伝えている。また、8日現在でも従業員は未払いの給与を受け取っておらず、2022年の年末ボーナスも支給されていないという。
ビットコインASIC製造のビットメイン 従業員の給与支払いを一時停止か=現地報道 https://t.co/AEScfXuMaQ
— コインテレグラフジャパン - Cointelegraph Japan (@JpCointelegraph) October 10, 2023
ビットコインのマイニングには「マイナー」また「ASIC(特定用途向け集積回路)」と呼ばれる専用のコンピューターが必要となる。給与の未払いをめぐり情報が錯綜する中、Bitmainは9日に新型のマイナー「ANTMINER S21 Hyd.」を発表。
マイニングはビットコインに不可欠な要素であり、ネットワークの安全性を担保するとともに、新しく発行されたコインを公平に分配する役目も担う。マイニング機器最大手のBitmainが資金難に陥ったことは、ビットコイン自体にも影響を及ぼす可能性がある。