ビットコイン現物ETF承認の誤報が拡散、価格は短時間で乱高下

ビットコイン現物ETF承認の誤報が拡散、価格は短時間で乱高下

米証券取引委員会(SEC)がビットコイン(BTC)現物ETFを承認したとの誤報が日本時間16日夜に広まり、ビットコイン価格は一時30000ドルを回復した。資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がこの報道を否定すると、価格は報道が出る前と同水準まで急落したものの、その後は28000ドル台で堅調に推移している。

誤報を出したのは暗号資産関連メディアのコインテレグラフ(Cointelegraph)だと見られ、X(旧Twitter)を含むSNS上で急拡散した。コインテレグラフは誤報を謝罪するとともに、社内での調査を進めているとXに投稿した。

誤報が招いたビットコインの乱高下は、先物取引にも大きな影響を及ぼした。CoinGlassのデータによれば、過去24時間の間に9500万ドル(約142億円)余りのポジションが解消され、その7割以上はビットコインの価格下落を見込んだショート(売り持ち)ポジションであった。


今回の報道は誤りだったものの、SECがビットコイン現物ETFを承認するのは時間の問題だとする分析もある。米経済メディアBloomberg(ブルームバーグ)でアナリストを務めるジェームズ・セイファート氏は、2024年1月10日までに現物ETFが承認される確率を「90%」と見積もっている。

Bloombergの17日の記事は「怪しい業者や有象無象の臆測を引きつける規制のない市場での投資家保護を巡る課題を浮かび上がらせた」というストラテジストの声を伝えるとともに「取引の活性化につながると期待されるETFの到来を暗号資産業界が固唾をのんで見守っている状況を浮き彫りにした」と指摘している。

ビットコインETFをめぐる動きは用語解説:ビットコインETFも参照。

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