ステーブルコインのTether、準備金のリアルタイム公開を準備

ステーブルコインのTether、準備金のリアルタイム公開を準備

ステーブルコインの発行企業Tether(テザー)は、同社が発行する米ドル建てステーブルコイン「Tether USDt(USDT)」の裏付け資産(準備金)をリアルタイムで公開することに取り組んでいる。米経済メディアBloomberg(ブルームバーグ)が20日に報じた。

USDTは「法定通貨担保型」に分類され、発行するステーブルコインと同額以上の米ドルを「準備金」として保有し、等価交換を保証することで価格を連動させる仕組みだ。しかし、十分な準備金が用意されていなければ、償還に応じることができずに破綻することになる。

このためTetherは、四半期毎に準備金の監査を受けるとともに、USDTの発行量と準備金のデータをWebサイトで毎日公開・更新している。しかし、同社は2016年から2018年にかけて十分な準備金を確保していなかったと指摘され、米商品先物取引委員会(CFTC)から4250万ドルの罰金を科された経緯がある。

USDTは時価総額で世界最大のステーブルコインで、10月23日現在で841億ドル(約12.6兆円)以上が発行されている。準備金のデータをリアルタイムで公開する試みは、同社のステーブルコインへの信頼性を高め、さらなる利用の拡大を目指す動きだと言える。

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