ビットコイン投資信託「GBTC」の価格乖離、約2年ぶりの低水準に

ビットコイン投資信託「GBTC」の価格乖離、約2年ぶりの低水準に

資産運用会社Grayscale(グレースケール)が運用するビットコイン(BTC)投資信託「Grayscale Bitcoin Trust(グレースケール・ビットコイン・トラスト/GBTC)」と保有するビットコインの価格乖離(ディスカウント)は、約22カ月ぶりの低水準となっている。

Grayscaleのサイトによれば、GBTCの米国時間13日終値は20.24ドルなのに対し、1口当たりが保有するビットコインの価値は24.26ドルであり、ディスカウント率は約-16%。YChartsのデータによれば、ビットコイン価格が低迷していた昨年12月には-50%近いディスカウントがあり、今年に入ってから大幅に低下したことになる。

この背景には、ビットコイン価格の回復とともに、GBTCが上場投資信託(ETF)に転換されるという期待があると見られている。


GBTCは、投資信託がビットコインを直接保有する「現物」タイプの投資信託に分類される。米国では複数のビットコインETFが上場されているものの、いずれもビットコインの先物取引へ投資する「先物ETF」であり、ビットコインを直接保有する「現物ETF」はまだ承認されていない。そのため、GBTCは投資家によって貴重な存在だ。

しかし、GBTCは「クローズドエンド型」と呼ばれるタイプの投資信託で、GBTCからビットコインへ償還することはできず、純資産価値による解約請求もできない。信託報酬が年2%と比較的高額なこともあり、保有するビットコインの価値を下回る価格で取引されてきた。

一方、GrayscaleはGBTCをETFとして上場させることを目指しており、これを承認しなかった米証券取引委員会(SEC)の決定を無効とする判決が13日に確定している。GBTCがETFに転換された場合、GBTCをビットコインへ直接交換することが可能になり、価格乖離も解消すると見込まれている。

ビットコインETFをめぐる動きは用語解説:ビットコインETFも参照。

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