ビットコインのドミナンスが約2年半ぶりの高さ、アルトの弱さ鮮明に

ビットコインのドミナンスが約2年半ぶりの高さ、アルトの弱さ鮮明に

暗号資産(仮想通貨)市場の時価総額におけるビットコイン(BTC)の割合を示す「ドミナンス」は、約2年半ぶりの高さとなっている。現物ETFへの期待からビットコインが急騰する中で、価格が伸び悩むアルトコインの弱さが鮮明に現れた形だ。

TradingViewのデータによれば、10月26日現在におけるビットコインのドミナンスは約54.3%で、暗号資産市場がバブル状態だった2021年4月以来となる高水準。ドミナンスが50%を上回るということは、ステーブルコインを含む他の暗号資産をすべて集めても、ビットコインの時価総額に届かないことを意味する。

アルトコインよりもビットコインのパフォーマンスが優れる要因として、米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを近く承認するという期待がしばしば挙げられる。しかし、ETFはビットコインの専売特許ではなく、それだけが理由だとするのは短絡的かもしれない。

イーサリアム(ETH)は先物ETFが既に取引されており、現物ETFも複数社からSECへ申請中。ビットコイン現物ETFが承認されれば、イーサリアムも後に続く可能性は容易に想定できる。一方、ビットコイン建ての価格は昨年9月の「Merge(マージ)」から下落基調だ。

今月16日にビットコイン現物ETFが承認されたとの誤報が出た際、資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンクCEOは価格上昇が「噂をはるかに超えている」と指摘。「イスラエルの戦争や世界的なテロをめぐるすべての問題を背景とした、質への逃避だと思う」との考えを明らかにした。

多数のアルトコインがスマートコントラクトの処理能力など「機能性」を売りとする中で、ビットコインは特定の国家や企業に左右されない「価値の保存手段」としての地位を確立しつつあるようだ。

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